オーナーさんがいるタイプといないタイプの民泊があります。
それぞれのメリットデメリットを交えながら紹介します。
ホスト非居住型が圧倒的に多い
民泊で貸し出す部屋は、「自宅の一室」や「借りた部屋」「所有物件」など様々なタイプがあります。
貸し出す部屋のタイプは、大きく分けると次の2つになります。
1.ホスト居住型
2.ホスト非居住型
民泊マッチングサービスのAirbnbでは、貸し手を「ホスト」宿泊する人を「ゲスト」と呼びます。
ホストが滞在する部屋にゲストを宿泊させるのが「ホスト居住型」、ゲストが無人の部屋に宿泊するが「ホスト非居住型」ということになります。
Airbnbが、民泊を「人の住む家に泊まる」というホスト居住型のコンセプトにしているので、「民泊=ホスト居住型」という認識をしている方が多いのかもしれません。
しかし、日本では、ホスト非居住型の割合が約8割以上というのが現状で、海外でも同様の傾向が見られます。
外国人との文化交流の側面でいえば、ホスト居住型を推奨したほうがよいのかもしれません。
ですが法的整備の観点でいうとホスト非居住型のほうが行政側も民泊をスムーズに進めやすいといえます。
最大の理由としてホスト居住型には衛星管理の問題が発生するという問題が挙げられます。
不特定多数の旅行客が出入りするということは寝具類や浴槽からホストとゲストの間で病気感染をする可能性があります。
ホスト居住型では、バス、トイレ共にホストとゲストが共用するため、衛生的に問題が発生するのは仕方なく、行政がホテルや旅館と同様の旅館業法の基準で取り締まる必要が出てきます。
出張中の家を空ける期間だけ部屋を貸す場合、ホスト非居住型に思えるかもしれませんが、ホストとゲストが同じ玄関や、風呂やトイレといった水回りを共用するため、ホスト居住型となってしまいます。
一方、ホスト非居住型では、キッチンまで含めた水回りをゲストが単独で使用することになりますので、衛生上のリスクは低くなります。
こういった事情から日本における民泊は、ホスト非居住型が主流になっています。
実際に、大田区の民泊条例では、ホスト居住型は民泊として認定を受けることができません。
もう1つ、現在、日本が抱える課題として「空き家問題」もあります。
日本では、少子高齢化により人口が減少し続けているのに,未だに毎年70〜80万戸の新築が着工しています。
空き家が溢れかえっている現状にもかかわらず、新しい家が次々に建っているのです。
これは日本の産業構造的な問題が影響しており、GDPの1割前後を新築建築系の業界が支えているため、産業構造上着工を止めることが難しいです。
このまま人口が減る、新築着工は止まらないとなれば、空き家は増えていきます。
社会的なインフラ問題だけではなく、いずれはゴーストタウン化による治安の悪化も問題になってくるでしょう。
このような「空き家問題」の解決策として民泊を使うという側面が大きいため、日本政府からすれば、今後非ホスト非居住型を中心に法整備が進む可能性が高いといえます。